ワケありな紛争 (著)武田知弘
ニュースで流れる各国の戦争や紛争。
今でも世界では多くの人が紛争で亡くなっている。
本書では、イラク、イスラエル、パレスチナといった中東圏を始め、北朝鮮やチベットなどのアジア圏、スーダンやソマリアなどのアフリカ圏、さらにはチェチェやアイルランドなどのヨーロッパなど、現在でも続く23の紛争を取り上げ、その発端とイデオロギーの対立を解説している。
紛争の原因は宗教や人種の違いが取りだたされるが、結局はアメリカやロシアなど大国、植民地支配をしていたヨーロッパ各国が大きく係っている事が分かる。
それは大国の代理戦争だったり、植民地支配による負の遺産や遺恨、石油や鉱物など資源戦争などである。
経済や地位の高い国の思惑が、立場の弱い小国を不幸に貶めている事を痛切に感じる。
何があっても人を殺す事は肯定できないが、アメリカをはじめとする大国が偉そうに大義や正義を掲げていることは違和感を感じざるをえない。
ニュースでは人が何人死んだとか、テロが発生したとか、起きた現象を表面的に伝えているだけだが、その本質を知るためのきっかけとして本書は非常に参考になる。
平和な日本では、なかなか知り得る事ができないからこそ、読んでおきたい一冊。
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