2010年4月29日木曜日

【BOOK REVIEW】天地明察

天地明察 (著)冲方丁



本年の本屋対象を受賞した作品。
江戸時代に実在した碁打ちであり数学者の渋川春海が、過去の暦を覆し日本独自の新しい暦をつくると言う革命的なプロジェクトを、多くの仲間と後ろ盾により実現していく奮闘記。
江戸時代のおける数学、天文学、暦学、そして朝廷と幕府の関係や背景などが見事に組み合わさった痛快なストーリーで、読むごとに惹き込まれた。

実際に、本書に登場する渋川春海関孝和は、情報の少ないこの時代に数学や物理的観点から素晴らしい発見をしている。
渋川春海は、経度差や時差、さらには公転が楕円である事などを発見。
関孝和にいたっては日本数学史上の英雄的人物とされ、筆算による代数の計算法を発明し、
行列式の概念をヨーロッパより早い時期に提案したそうだ。
さらに、ヤコブ・ベルヌーイに先駆けてベルヌーイ数を発見、ニュートン・ライプニッツより前に、微分・積分の「一歩手前」までたどり着いたなど、世界的にも評価されているとのこと。
これらには驚くばかりだ。


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