2011年1月11日火曜日

音楽が広告に見えてきてしまう一幕

出典:少女時代は邦楽、KARAは洋楽のワケ(産経ニュース)

上記の記事がなかなか興味深い。
「少女時代」と「KARA」が、日本ゴールドディスク大賞で新人賞にあたる「ニューアーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞したが、「少女時代」は邦楽部門、「KARA」は洋楽部門のトップだったことに疑問を呈し取材をしている。


勘違いされやすいが、ゴールドディスク大賞は日本レコード大賞や日本有線大賞とは大きく異なることをまずは確認しておきたい。
日本レコード大賞や日本有線大賞の選考基準は、売れ行きが重視されずに受賞者を決めているため、レコードメーカーやアーティスト事務所の意向も左右されると噂され、できレースだと言われることもある。
一方ゴールドディスク大賞の選考基準は、日本国内におけるCDの実際の売上(出荷数から返品数を引いた枚数)や曲のダウンロード数を基準に公認会計士が立ち会い厳正に選ばれる。
ただ、対象期間が前年の11月から翌年10月に発売された作品の合計であり、前年末以前に発売されたものは原則対象外であるため、「年またぎヒット」や「火がつくまでに時間がかかった曲」が評価されにくい面があるらしい。(Wikipedia参照)
しかし、ゴールドディスク大賞は他の賞レースに比べてかなり信頼性が高いと考えてよいだろう。

「少女時代」は、「GENIE」「Gee」ともに10万枚を突破、2010年の総売上枚数は38万枚で8.8億円を売り上げている。
「KARA」は、ベストアルバム発売1週目で5万枚超えするなど、2010年の総売上枚数は49.3万枚で13億円を売り上げている。
オリコンニュース参照

これらの情報から一般的に考えるのは、洋楽部門の「ニューアーティスト・オブ・ザ・イヤー」は「KARA」だということ。
よって、受賞の事実は納得できるのだ、
しかし、同じ韓国アーティストにもかかわらず、邦楽部門で受賞している「少女時代」はやはり腑に落ちない。
CDショップでも韓流アーティストはアジアコーナーやワールドコーナーにまとめて置かれているはずだ。

記事によると、

「少女時代のシングルは韓国で作った曲に改めて日本語歌詞で吹き込みなおして“日本のCDとして”制作した。一方、KARAも同様に日本語歌詞のシングルが売れまくったが、加えて、先行して韓国で売れたヒット曲を集めた“韓国の原盤”を基にしたベスト盤がよく売れた。このため、少女時代が邦楽、KARAは洋楽となったようだ」
とのこと。

ややこしい話しで、これは一般の人には理解できない仕組みである。
そうしたら、宇多田ヒカルやPUFFYがアメリカでリリースしたCDが賞を取るとしたら洋楽扱いになるのだろうか。
ここまでくると、邦楽と洋楽の定義が曖昧で色々勘ぐりたくもなる
そして下記のようなコメントが出てくるから、賞やランキングなどが操作されているんじゃないかと思われ音楽業界自体の信頼性が落ちてしまうのではないだろうか。
「少女時代とKARAは日本では同じレコードメーカーの扱いですが、所属事務所はライバル関係。メンツを重んじる国民性もあり“同じ土俵”で1位、2位を決めつけられるのを嫌うのです。どちらも1位で安堵しているはずですよ」

この問題は不正ではないにしろ、賞レースもランキングも音楽番組も次第に関心が薄れてしまっている昨今、音楽業界の常識と一般常識の乖離を再確認したほうがよいのかもしれない。

また年末の紅白歌合戦の視聴率にも興味深い考察がある。
紅白歌合戦にAKB48が登場したと同時に、他局の「ガキの使い 笑ってはいけない」がVTR中断で振り返りトークからのCM、「池上彰の学べるニュース年末スペシャル」もCMと、明らかにNHKにチャンネルスイッチを促しているような展開に。
全テレビ局協力のCMまたぎで見事にAKBが視聴率トップになったと言われている。(
参照
テレビ局と広告代理店の見事な連携プレーで、特段悪いことではないが、情報操作されている感はぬぐえない。

不正や悪意は無いにしろ、最近メディアに登場する音楽は裏側の色んな都合が見え隠れしていて、音楽が広告に見えてきてしまう。
だからこそ夏フェスとかコンサートに行くと音楽って素晴らしいと改めて実感するし安心するのかもしれない。


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