HIV感染者が初めて完治に

（出典：GIZMODO）

記事によると、HIVに感染した男性が公式に完治したと認定されたというから驚きだ。

HIVとはヒト免疫不全ウイルスのことで、人の免疫細胞に感染して免疫細胞を破壊し、最終的に後天性免疫不全症候群（AIDS）を発症させるウイルスのことを言い、HIVに感染した時点ではAIDSの発症とは言えない。

治療に関しては現在まで、基本的に多剤併用療法にて行われるようだが、完治や治癒に至ることは困難であった。
場合にもよるが、安定期まで持っていければ、ほとんどAIDSで死亡することはなくなっているとは言え、抗ウイルス薬治療は開始すれば一生継続する必要があるのだ。

そのような状況の中、今回、化学療法や放射線で彼の免疫機能の大部分が破壊されている状態で幹細胞の移植を行い、それと同時に抗HIV薬の摂取をやめるという方法で、一人の男性がHIVを完治したという。

これは、患者がHIVと同時に急性骨髄性白血病も併発したため、白血病治療として幹細胞ドナーを移植したことから始まった。
その時の幹細胞のドナーの骨髄がHIV感染への耐性がある変異遺伝子を持っていたようだ。
そもそも、この変異遺伝子を持っている人はHIVにならないとのこと。
移植後にウイルスが減少した兆候があり、抗HIV薬を使用していない状態で受けた検査の結果でHIVのサインが見当たらなかっため、医師が公式に完治を宣言した。

ただ、この方法は必ず完治する保証はなく、死んでしまう可能性すらあるそうだ。
また治療費がものすごく高額だとも。
しかし、不治の感染症と恐れられていた病に一筋の光が見えたのは間違いない。
現在全世界でのHIV感染者は5千万人に達すると言われており、また日本は先進国で唯一エイズの新規患者数が増加傾向にあるから人ごとではない。
ウィルスとの闘いはイタチごっことは言うが、是非今回の成功を機に、完治方法の確立を期待したい。