告白 (著)湊かなえ
最近読んだ本がブックレビューできぬまま積まれ、またハマる本もなくモヤモヤしていたが、今回久しぶりに熱中して読めた。
本屋大賞や映画化での話題、知人からの勧めなどもあり、読もうと思っていたがズルズルとここまできてしまった。
そもそも、殺された娘のために復讐をすると言う漠然としたイメージしかなかったので、ドロドロした嫌な感じだと思い込んでいたのだが、実は全く違った。
登場人物の独白だけで進んでいく疾走感のある構成とドキドキさせる展開は、のめり込むのに十分だった。
リアリティや心理描写に欠ける部分もあるが、1つの事実に対して登場人物ごとに解釈や背景が異なる様子を俯瞰して見ていくことが、ある意味怖かった。
事実は変わらなくとも、人それぞれの時間軸があり、心の中にある真実はバラバラだからである。
月の表面と同じで、自身の見えている、知っている、感じている範囲はほんの一部であり、その裏側について推し量ることが大切であることを実感する。
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