2010年3月21日日曜日

【BOOK REVIEW】未来思考 10年先を読む「統計力」

未来思考 10年先を読む「統計力」 (著)神永正博



理学博士である著者が、「少子化と結婚」「都市と高齢化」「仕事と経済」の3つのパートそれぞれに、日本の置かれている現状と未来について様々な統計データを用い具体的に推論している。

多くのメディアが1つ2つ程度のデータを引用し、あたかもそれが事実かのように報道しているが、それは果たして真実なのだろうか。
本書では多くのデータを元に様々な角度から検証し仮説や結果を導きだしており、丁寧に分析することの大切さが分かる。

例えば、政治家が地方活性化を名目に大量の税金を投入し道路などの交通網を整備している。
しかし中期的にデータを検証すると、一時的にその地域の経済は潤うが、交通網を整備したことでストロー効果に拍車がかかり人口が都市圏に流出していることが分かる。
目先の利益を優先したばかりに、結果的には地方経済衰退への足掛かりをつくってしまったとは皮肉なことだ。

「少子化と結婚」「都市と高齢化」「仕事と経済」について興味があれば、現在周知されていることよりも深い事実が浮き彫りになってくるので、一読する価値はある。


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