2010年3月20日土曜日

【BOOK REVIEW】セブンイレブンの罠

セブンイレブンの罠 (著)渡辺仁



セブンイレブンのビジネスモデルにフォーカスし、フランチャイズオーナーの苦しみやジレンマ、本部との対立などが描かれている。

コンビニはフランチャイズ制で、酒屋などの個人商店からの改装や、脱サラで独立した人などが、屋号を借り自営業として経営していると思われている。
しかし本書によると、セブンイレブンでは本部の圧力や会計操作などにより、オーナーは決して一国一城の主ではないことがうかがえる。
それはセブンイレブン特有の常識を逸したビジネスモデルのためで、以下のような例が挙げられている。

①売上金は本部に毎日送金しなければいけない
売上金はオーナーの収入で、そこから仕入原価や経費を差し引いた利益に対して、屋号のロイヤリティを本部に支払えば良いと、一般的には考える。
しかし日々の売上金は本部に送金しなければならず、本部側で仕入れやロイヤルティを勘定して、残りをオーナーに支払っているとのこと。
収支の流れだけを見ると、まるで雇われ店長だ。
そのためオーナーの手元に現金が残らないため担保力が無くなり、銀行などからの借入もできず資金繰りに苦しむことになっているという。

②本部と店舗間での会計が不透明
上記のように、仕入原価は本部側で支払われるため、オーナーの手元には仕入れ先からの請求書も無い。
経営しているはずのオーナーが仕入原価を知らず、さらに本部は実際の原価に利益を乗せているというのだ。
また商品廃棄分が売上原価に組み込まれず、知らない間に売り上げた物としてチャージもされているという。
本書では、本部は勝手に様々な部分に利益を乗せてオーナーから搾取しているとしている。

③ドミナント
本部としては、店舗が増えれば増えた分だけ全体の売上も上がり、ロイヤリティやチャージにより利益も膨らむため多店舗展開する。
ただそれは、同じ商圏内に次々に店舗を開店させることであり、既存店の売上は半減してしまうことになる。
この仕打ちを受けた既存店のオーナーからすると、裏切られたといっても過言ではないだろう。

以上の件を含め、これらは多くの訴訟となり法廷で争われてきたそうだ。
コンビニは24時間365日開店していることが義務付けられているため、家族経営による店舗は肉体的にも精神的にも大変な苦労である。
その中、本部とオーナーとの共存共栄のはずのビジネスの裏に、アンフェアなトリックが仕掛けられ、オーナー側が大きな損失を被っているとなれば目も当てられない。

流通や小売に革命を起こし、ライフスタイルを変化させてきたトップランナー企業が、実は裏でこれだけ叩かれ、裁判にもなっていることには、ただただ驚くばかりだ。
消費者とは直接関係のないことなのかもしれないが、これも一つの真実として理解しておくべきなのだろう。


1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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