2009年11月2日月曜日

ラグビー協会会長 森喜朗氏の大きな存在感

先日国立競技場で開催されたニュージーランド「オールブラックス」対オーストラリア「ワラビーズ」の試合に先駆けて、日本ラグビー協会会長の森喜朗氏が挨拶をした。

ラグビーファンは周知の事だが、初めて観戦した方は疑問に思われたかもしれない。
何故元総理大臣の森喜朗氏がラグビー協会の会長なのかと。

そもそも森氏は早稲田大学ラグビー部のOBという建前で現職に就いているのだが、実際は入部して4ヶ月で退部している。
体調的な事もあったようだが、通常4ヶ月しか在籍していないのに、強豪早稲田大学ラグビー部を名乗れるというのはいぶかしい。
だからラグビーを熱心に打ち込んだ人ほど、森氏に対して嫌悪感を抱くかもしれない。

ただ、現役時代どのような選手だったかはさておき、ラグビー協会や現在のラグビーの運営に対して、森氏の存在が大きいのは間違いないだろう。以下は全て推測に過ぎないがあり得る話しである。

例えば先日のオールブラックス対ワラビーズの試合が国立競技場で開催できたのも森氏による計らいだと推測できる。
開催日程のイニシアチブはチームや選手のスケジュールを考えると、確実にIRB(国際ラグビー評議会)やニュージーランド側にある。
ゆえに、その日程に合わせて日本側は会場を用意しなければならない。
秩父宮競技場であればラグビー専門競技場であるからすぐに手配できるが、収容人数が少なくIRBは納得しないだろうし、また2019年のワールドカップに向け日本にも多くのラグビーファンがいてワールドカップを開催しても盛り上がるということをIRBへPRすることが本試合での日本の責務だった。
だから開催会場は5万人を収容できる国立競技場しか考えられないわけだ。

一方、国立競技場側は、集客力もチケット収入も放映収入もJリーグに劣るラグビーの試合に対して貸すのはあまり賛成できない。
しかも巨漢の大男達が暴れるラグビーの試合では整備された芝が痛むのは必至だ。
事実先日の試合後、芝はだいぶ荒れていたように思う。
そこで、ラグビー協会会長の森氏の登場である。
政治的権力がありキングメーカーとも言われる森氏が取り計らえば、この手の問題はそつなく解決するはず。
何故かこの週はJリーグの試合が無く、スポーツニュースのネタが減りラグビーの試合がメディアに掲載されやすかった事も、もしかしたら関係しているのかもしれない。

さらに、前回のラグビーワールドカップが日本テレビで中継できたのも、森氏と読売グループ主筆である渡辺恒雄氏の関係が寄与していると憶測できる。
2年前に日本で開催されたアメフトのワールドカップで、日本代表が決勝にいったのに、民放での放映が一切無かったことを考えれば、優遇されたと考えてもおかしくはない。

真実は分からないが、ラグビーがスポーツ界やメディアの中で融通が利いているのは、間違いなく森氏の存在によるところが大きいと思う。
政治家として、一ラグビー選手としての意見は別として、ラグビーファンはもっと森氏に感謝しても良いのかもしれない。

日本でワールドカップを迎える2019年も森氏がいれば、強力な政治的ネゴシエーションで、入国管理、宿泊手配、競技場手配、交通網の整備、警備体制、メディア対策、各国VIP対策、そして予算面など様々な部分が解決できることが推測される。
ワールドカップ成功のためにも、是非元気に会長職を勤めていてほしいところ。

しかし本当の功労者は、森喜朗氏をラグビー協会会長に祭り上げた人物なのかもしれない。
それは一体誰なのであろうか。
知りたいところだ。




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