人は音楽をどのような時に聴くのだろうか。
好きなアーティストのCDが発売されれば購入もしくはレンタルし、数日間は繰り返し聴くだろう。
しかしほとんどの場合は、気分やシチュエーションに合わせた音楽をiPodや家にあるCDから取り出して聴き始めるのではないだろうか。
例えば、気分が落ち込んだ時には元気になれる歌を、恋した時には恋歌を、披露宴パーティーには甘い歌を、などなど。
そんな気分に合わせて検索やレコメンドを受けられる「TPO MUSIC」が、最近Webでにわかに話題になっている。
気持ちやシチュエーションといったカテゴリーの中に様々なタグを設置し、様々なCDと紐付けて紹介することで新しい音楽との出会いを創出している。
例えば気持ちであれば「ハッピー」「リラックス」「踊りたい」、シチュエーションであれば「通勤通学」「おやすみタイム」「リゾート気分」といったタグをセレクトできる。
また、ユーザー会員が各CDにタグをつけられることで、音楽に関心の高い会員の集合知により日々精度を上げるスキームになっている。
Web上では今までアーティストやジャンルを通してしか探すことができなかった音楽が、自身のマインドにフィットする音楽を探す事ができるようになったわけだ。
有りそうで無かった音楽検索の新しいシステムである。
またユーザーが現在の心境を投稿すると、他のユーザーがコメントを付けられるというコミュニティサービスも用意されている。
これらは「TPO BOOK」「TPO MOVIE」といったところか。
新しい音楽(本・映画)との出会いを提供する事は、小売店の基本的なミッションであり、それが売上、ひいては市場を大きくする事にもつながる。
Webではどうしても価格戦争になりがちだが、こういった付加価値をつけることで差別化を図りロイヤルティを醸成する事は重要な戦術の一つである。
今後は、音楽専門誌や評論家もしくはアルファブロガーとタイアップすることでより信頼性を高めたレコメンデーション、手軽な試聴システム、さらには出会い系と揶揄される各SNSサイトと連動した販売アプローチなどが増えていくのかもしれない。
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