2009年9月18日金曜日

航空会社と空港の厳しい現実

日航、国内29路線廃止 神戸・静岡空港撤退

海外の航空会社との提携で話題になっている日本航空だが、2011年度までの3年間で国内29路線を廃止、神戸や静岡など国内7空港で路線運航から撤退するようだ。
国際線21路線と合わせ計50路線の廃止に踏み切るとのこと。

そもそも政府が株式を保有する国有会社であり、その流れで半国営的立場で政府から大量の融資を受けて経営再建を行ってきているわけだが、毎年赤字を膨らましている会社が我々が納めている国税からの補助で存在しているのが不思議。
今の時代、航空会社はインフラとして大切な意味を持つが、日本航空が無くても新興企業や外資企業があれば競争にはなるのではないだろうか。

そして疑問なのが安全面について。

収入が増加しなければコスト削減するしかないわけで、燃料や機体、空港使用料などは削れないだろうから、人件費や効率化によるコスト削減を目指すはず。
すでに年金の減額などは始まっているが、賃金低下や人員削減による作業時間の増加など、労働環境の悪化が安全面の低下につながることはないのだろうか。

山崎豊子の「
沈まぬ太陽」ではないが、そう考えると、正直、日本航空には乗りたくない。

そして気になる事がもう一つ。
2009年6月に開港したばかりの静岡空港は大丈夫なのだろうか。
施工時には、税金の無駄遣いとして一部で騒がれていたが、日本航空便が廃止されることは致命傷になりかねない。

総事業費は約1,900億円、そのうち空港本体の事業費は約490億円、空港整備特別会計からの国庫補助金は約245億円、約1,655億円が静岡県の支出となっているそうだ。
さらに搭乗率も芳しくなく、国際定期便も運休や激便されている。
このままでは年間に3億円以上の赤字となるという記事もある。

関西国際空港に隣接する大阪の泉佐野市は、関西国際空港開港による税金の増収を見込み、文化ホールや病院など1,000億円以上の公共事業を行ったが、開港後にバブル崩壊と重なり市への流入も思うように増えなかった。
そして現在は全国で最も財政難に陥っている内の一つとなっている。
まさしく静岡県も似たようなもので、まさかの経済停滞とまさかの日本航空の路線廃止。
財政難への道を歩んでいるとしか思えない。
静岡県民の税金は、どんどん空港に吸い込まれていくのだろうか。

運輸官僚の天下り先と利権の巣窟である航空会社、そして高速道路と同様の無駄な空港立地、脱官僚・政治主導となる新しい国土交通大臣に期待してみたい。


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