前回のエントリーに続き、今回はMOBILE側の事情をまとめてみた。
「個体識別番号」を用いて、携帯IDで人を識別しながらアクセス履歴を集計することで、同じ人がいつどこのWebサイトを訪れたかを知り、その人の嗜好を推定することができ、好みに合った広告を配信していることについては以前のエントリーで述べたとおり。
PCのクッキーは閲覧者側で自由に削除することができるが、携帯電話の携帯IDはクッキーのように削除することができず、また契約者に割り振られたIDは不変であるため、携帯IDを用いた広告が普及すると、広告会社により追跡される可能性は携帯電話を解約するまでの何年にも渡って続いてしまうことをユーザーがどこまで理解しているのか、本記事では大きな疑問が投げかけられている。
匿名のIDを住所・氏名にひも付けることをしなければ、個人情報保護法でいう「個人情報」には該当しないため、売ることは合法なのだという。
よって、ECサイトなどで、すでに正当な手段で住所・氏名を取得している事業者が、嗜好情報を広告会社から買っても個人情報保護法には抵触せず、その事業者が住所・氏名と同時に携帯IDも取得しているならば、入手した嗜好情報は携帯IDを使って住所・氏名と結合することができる。そして広告会社がこのような売買を行っても合法になるそうだ。
PCの世界では、第三者クッキーとして発行されるIDは、広告会社が独自に割り振ったIDであるため、ほかのサイトでは情報をひも付けて照合することができず価値がないため、嗜好情報の売買は成立しないが、携帯電話の場合は、携帯IDを住所・氏名にひも付ける事ができ、ユーザーの嗜好情報を広告会社に売買される危険があると言う事。
日本の個人情報保護法では、住所・氏名ばかりが守られ、肝心の個人の嗜好情報などのプライバシーが守られていない。他人に知られたくないはずの嗜好情報が、規制の網から漏れて売買される可能性が生じている。
便利に思える携帯電話やデータベース化の裏側には、個人の行動がチェックされ、知らないうちに政府や企業に管理されている。そしてその情報はお金を生むコンテンツとして飛び交っているのだ。
日本特有の携帯電話社会や移り変わる時代の流れに即して法整備を進めてほしいものである。
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