今年度上半期のゴールデンタイムのテレビ視聴率は、なんとNHKが民放を押さえてトップに躍り出たそうだ。
民放テレビ局にとって、収益に直結する視聴率が、広告放送を行っていないNHKに負けるというのは悔しいだろう。特にゴールデンタイムだと尚更だ。
記事によると、原因は「オリンピック」「大河ドラマ」「上海タイフーン」といった番組の好調と、高齢化によるNHKへの支持率の高まりとなっている。
テレビ全般の傾向として、総世帯視聴率は年々減少傾向にあり、これは視聴形態の変化に調査方法が追いついていないという裏事情もあるそうだ。
と言うのも、HDDレコーダーによるタイムシフトやワンセグが加算されていないだけでなく、いわゆるテレビパソコンも調査対象にはなっておらず、テレビ局にとって不利な状況になっている。
しかし、テレビ局側にも認識はあるが、パソコンでの視聴を「認める」とタイムシフトやインターネットとの「ながら視聴」を助長するという議論があるから踏み込めないとの事。
また記事では、民放は、視聴率のために他局の高視聴率番組のマネをし、同じようなタレントで同じような内容になり、悪循環に陥っているとしている。
視聴率の不調は「番組の質の低下」「インターネットの台頭」「ゲーム機や携帯電話」などが理由として挙げられているが、テレビ関係者と話していると視聴率不振の原因をネットやゲーム、不況などの外圧に押しつけるばかりで、世の中の状況を見誤っている気がしてならない、と記事では考察されている。
確かに今は地上デジタルへの移行期であり様々な実験的取り組みを模索する期間でもあるはずだが、民放各局は刹那的な番組作りしかしていないように思える。
しかしそれも下表のマスへの広告費減衰を考えれば、目先の視聴率に躍起になるのも現場レベルでは頷ける。
2008年度上期ではテレビは前年比-5.7%となっているのだから。
インターネットが台頭してきた時点で、電波を独占している局中心に儲けを出す現在のビジネススキームは衰退期に入ったのだ。
インターネットに負ける訳が無いと思い込む古い体質から抜け出して新しいビジネススキームを生み出せるだろうか。
民放は以前エントリーしたNHKの工夫も見習うべきである。
0 件のコメント:
コメントを投稿