今や日本の人口の99%をカバーしている携帯電話の電波網。
昨日のエントリーでも記したが、各キャリアは2011年を目標にブロードバンド化を目指している。
そんな中、気になるのが電波塔。
2Gから3Gへ移行する際にも電波規格が異なるために、新たに電波塔を建てたように、進化に合わせて通信(電波)設備も構築しなければならない。
この設備投資が各キャリアに大きな負担となっているのは確かで、ソフトバンクは新規参入時より巨額な投資をして赤字を増やしながら電波塔を設置している。
Googleフォンが考えているような広告収入で携帯電話費用を無料化するスキームも、通信設備の再構築がなされている間は難しいと思われる。
そこで調べたのが衛生電波。
スカパーなどのように衛生電波で見れるテレビがある、そしてGPSのように衛生電波がモバイル端末とリンクしているように、電話・インターネット接続もできるのではないかという疑問があったからだ。
単純に・ルーチンで巨額な設備投資から解放される・ローミングしなくても同じ電波で国際通信ができると考えていたのだが、そうは簡単にいかないらしい。
1990年代後半に、電気通信事業者が相次いで設立され、実際に衛星の打ち上げも進められていたらしいが、地上ネットワークのサービスエリア拡大や、通信料金の競争力の低下から需要低迷による膨大な設備投資の未回収などもあり、事業者は次々と倒産したそうだ。
実際、地上電波に比べ通話可能地域が広くなるがデメリットも多い。
・無線免許や公共電波への税金が発生
・利用地域の政府の規制などの関係で自由に使用できない地域も多い
・通信距離が長いため遅延時間が大きい
・高緯度地域や経度の離れた地域など衛星への仰角が小さい場合、地上の障害物のため通信しにくいことがある
しかし、現実的には衛生電波は多く使用されている。
代表的なものでは、
・長距離フェリーや航空機
・高山にある売店や山小屋などに設置してある公衆電話
・本土と海底通信ケーブルで繋がっていない離島での島外との通信
・大規模災害に備えた公共施設への設置
災害設備用の電話は、地震などの大災害が発生すると、通常の電話回線は多くの通話が殺到して通信不能となるが、衛星電話は地上設備が比較的少なく設備損傷のリスクが少ないと考えられるため、地方自治体・警察・消防用の緊急電話回線が設置されているらしい。
そう考えると両者一長一短か。
先日話題になったDVDの規格争いと同様に、電波規格も各国の利権争いになっている今、最終的にどこに辿り着くのか予想できない。
画像参考:ドコモ報道発表資料
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