2008年4月3日木曜日

インターネット広告第3世代


ニコ動コメントに「@ピザ」で、ピザを注文できる機能

4月1日より、ニコニコ動画の動画に「@ピザ」というコメントを付けると、ピザの注文画面にジャンプできるサービスが開始された。
コメントは「@ピザ食べたい」「@ピザおいしい」など『@ピザ』というワードが含まれていればリンクされるとのこと。

これはアフィリエイト広告の一種。
今のネットの広告モデルは、第1世代と言われるバナー広告と、第2世代のGoogleアドワーズに代表されるような検索連動広告が主流。
そして今後主流なってくるのがアフィリエイト広告だと思われる。

現在アフィリエイトというと、ポータルサイトでのテキスト広告や、個人のブログや日記に企業バナーを貼るなど、儲けたい側の一方通行的な感がある。

しかし今回のニコニコ動画のモデルは、プロダクトプレイスメントとの連動が期待でき、ユーザーマインドへのアプローチ(想起させること)を包括している部分が驚愕。

テレビにおいては、HDへの録画などでCMを割愛される懸念もあり、番組コンテンツ自体に広告を入れるプロダクトプレイスメントは数年前より多くの企業で実施されている。
このプロダクトプレイスメントが更に影響を与えるのがインターネットの世界。
何故なら、すぐに売場(購入サイト)へリンクできるからだ。

ニコニコ動画は昨年よりニコニコ市場というサービスを展開している。
動画表示の下に関連する商品の紹介を表示し、そこからアマゾンの商品ページにリンクされ購入できる仕組みだ。
アマゾンの「この本を買った人はこんな本も買ってます」というレコメンデーション機能に近いが、大事な点はアフィリエイトということ。
その商品を購入すると、アマゾンからニコニコ動画へ広告報酬が支払われる。

調べてみると、ニコニコ市場で「Perfume Complete Best」が1ヶ月で何と1,000人以上が購入している。
ニコニコ動画のユーザー数を考慮すると、この数字は非常に驚きだ。
またニコニコ市場では月間2,000万円程度のアフィリエイト報酬があるとも言われている。

さらに見逃せないのは、アフィリエイト報酬がユーザーへは支払われていないということ。
これは著作権侵害が増える懸念があり訴訟リスクをさけるためとも言われている。
要するに、映画やドラマ、アニメなどをアップロードして勝手にDVDやグッズ販売を販売してしまうことが予想されるからだ。
逆にそのことは、ニコニコ市場が儲かる仕組みということを裏付けている。

話しは戻るが、今回の『@ぴざ』はニコニコ市場から更に進化し、ユーザーのその時の意思がダイレクトに反映され売場とつながる。
既存のレコメンデーション機能はあくまで紹介ツールであるため、例えば「X JAPAN」の動画を見ると、CDやDVDなどの商品のみをレコメンデーションしてしまう。
しかし今回の機能では「X JAPAN」の動画を見ながら、「クリスタルピアノが格好良い」と思えばKAWAIの売場へ「YOSHIKIが掛けてるサングラスが欲しい」と思えばペルソールの売場へリンクすることができてしまう。
まさにユーザーの意思とリンクする事ができるのだ。

これは、デジタル放送時代に向けて「通信と放送の融合」と言われているが、その具現的な実例である。
番組コンテンツ内で登場するアイテム、好きなタレントが着ていた服などをダイレクトに購入することができるようになる。
企業側から一方的なメッセージを伝える既存のCMは価値は下がり、ユーザーとインタラクティブな関係によりアフィリエイトでコンテンツ制作者が儲かる仕組みになるだろう。

インターネット広告の第3世代のプロダクトプレイスメントとアフィリエイト。
この2つが「通信と放送の融合」において重要なカギを握るのではないだろうか。


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