2008年3月31日月曜日

モバイル世界の行動マーケティング


ドコモ、携帯電話の「識別番号」・コンテンツ会社に通知

本日よりモバイルの識別番号が広く広告に利用されることになった。

具体的には、ドコモが「識別番号」をコンテンツ会社に通知し、コンテンツ会社は「識別番号」を活用してモバイルサイトを閲覧した履歴などが把握できるようになるという仕組み。
利用者の特性に応じた広告、要するに行動ターケティング可能となる。

パソコンの世界では既に活発な行動ターケティング。
Cookieを利用した仕組みで、ウェブサイト側がブラウザを通じて利用者のパソコンにサイトに閲覧した履歴情本(Cookie)を保存する。
ウェブサイト側は利用者のパソコンとつながる事で利用者が自社サイトで閲覧した過去の行動が把握できる。
もちろん、利用者のパソコン側にCookieを残すだけなので、利用者の個人情報を盗むわけではない。

その行動ターゲティングの先頭に立っているのはYahooと言われている。
日本最大のポータルサイトを活かし、Yahooにぶら下がっている数多くのサイトを見ている利用者の行動履歴に基づいて広告を配信しており、それが大きな収益源にもなっている。

しかし、行動ターケティングも、より効果効率的に利用者にアプローチしていくために、次第に「性別」「居住エリア」「年齢」「職業」などのデモグラフィック情報を利用するようになってきた。
そうなってくるとパブリックとプライベートの境界線が非常に曖昧になってくる。

企業の個人情報の取り扱い方法についてはナーバスだが、こと自分自身の情報管理は無頓着である場合が多い。
利用者側はサイトの会員登録や配送登録などで、あまり意識しないで自分の情報を各サイトに登録していく。

携帯電話だとパーソナルツールだからもっと怖い。
PCはLANを外せばウェブ世界と断絶できるが、携帯は電源を切ってもGPSで位置情報が分かるという機種もある。
以前聞いた元総理秘書のコメントでは、携帯番号さえ分かれば個人のお金の流れ(口座全般)はだいたい把握できるとも。

今回ドコモは「氏名やメールアドレスは含まれておらず、個人情報開示には当たらない」と個人情報に触れていない事を強調しているが、裏を返せばそれ以外の情報は全て他事業者に提供するということ。


このようにGoogleとの提携も含め、本格的になってきたモバイル世界でのウェブの広告事業。

パソコンの世界とは異なりキャリアが責任を負っているモバイルの世界

これまで以上にユーザーに対するケアやサービスが重要になるだろ
う。
そして、利用者も自己責任・自己防衛をもっとシビアに考えることが必要だろう。


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