2011年1月30日日曜日

【BOOK REVIEW】なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか

なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか (著)若宮健



なぜ韓国はパチンコを廃止でき、日本はできないのかを韓国での取材を踏まえながら検証している。

韓国でパチンコが廃止できたのは、パチンコが人を堕落させるという政府や警察による危機感、韓国にパチンコメーカーが無かったことなどが大きい。
台は日本などからの輸入だったため、政府の規制で迅速に舵を切ることができた。
では、日本でも韓国同様にパチンコを全廃することはできるのか。

まずは日本のパチンコ業界は、パチンコ店経営者の八割を韓国と北朝鮮系が占め、残りの二割が台湾と日本人といわれているようだ。
朝鮮総連自体が直接パチンコ店も経営しており、バブルの頃は約600億円が北朝鮮に送金され、ニューヨークの新聞に日本のパチンコマネーが、テポドンや核兵器の開発に使われていると報道されて事もあったそう。

また在日本大韓民国民団傘下の在日韓国商工会議所の一万社のうち、約70%がパチンコ産業に関わっており、2008年に民団の代表らが韓国の李大統領の当選祝いで訪韓した際に、「地方参政権の付与」と「パチンコ産業に対する規制緩和」を当時民主党代表だった小沢一郎氏にお願いするよう訴え、李大統領は小沢氏と会談した際にパチンコ産業の規制について言及したそうだ。
自国では、国民に大きな害があるとして全廃したのにもかかわらず、他国に関しては政治的圧力をかけるという状況になっているらしい。

また業界に取り巻く環境はどうなのだろうか。
パチンコチェーンストア協会のアドバイザーには、民主党34名、自民党11名、公明党3名などが名を連ねているという。
著者は業界の用心棒ではないのかと指摘しているか、確かにこれは違和感がありすぎ。
美味しい蜜に集まっているとしか思えない。

さらにパチンコ業界の関連団体には、元警視総監、元警察情報通信局長、県警本部長など警察幹部が役員になっており、パチンコ機のメーカーやパチンコ店にも多くの警察が天下りしている現実がある
週間ダイヤモンドの記事では、パチンコ店に設置されている銀行ATMは警察の実質的な許可なしでは設置できないため、このビジネスモデルにはパチンコ業界や警察も一枚噛んでいるとの観測をしている。

これらの事実を知ると諦めと辟易した気持ちにさいなまれる。

ちなみに最近ではAKB48もパチンコ台になってしまうというから、もうなんでもあり。(
参照記事
しかも、そのパチンコ台のために結成された新ユニットのシングルCDが、パチンコ店の景品限定でリリースされ通常発売は行わないそうだ。
そもそもSKE48のマネージメント会社がパチンコ機メーカー京楽の子会社だったりと、AKB48とパチンコ業界は深いつながりがある。
そのつながりで商品開発を含めたキャンペーン行うことは企業としては自然だが、パチンコという賭け事を
推進するキャンペーンに未成年やを利用するのはどうかと思う。


日本では、多額の広告費がメディアに流れているため、メディアもパチンコ関係の悪評を一切出さない。
むしろ好意的に報道する。
パチンコ業界側も口止料の意味合いとして広告費を払っているのではないかと本書でも指摘されている。

パチンコ産業についての是非は差し控えるが、本書で記されているように、多くのプレーヤーからお金を搾取して一部の人間にだけお金が回る仕組みになっているのは否めないだろう。
事実、パチンコ店には遠隔操作や顔認証システムまであり、経営者が自宅のPCとモニターから自由自在に出玉を操れたり、店の入口にカメラを設置し来店者の顔を検知することで、その客の勝敗がデータベースで把握できるそうだ。
要するに裏で何でも操作できる仕組みはあるとのこと。
これに加え、政治家、警察、マスメディアなどが手を取り合っている状況では、パチンコ中毒で自殺者がでようが、殺人事件が起ころうが、今後日本からパチンコが無くなる事はまずないだろう。


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