2010年10月27日水曜日

募金に対する心構えをまとめてみた

インターネットコムとgooリサーチがインターネット募金について調査を行った。
参照:
3人に1人がネット募金をしている(Japan.internet.com)

1年以内に赤い羽根共同募金や災害援助支援などの募金をしたことがあると答えた方にインターネット募金の存在について聞いたところ、知っていると答えた人は60.0%。
さらにインターネット募金の存在について知っている人の中で、過去1年以内にインターネットで募金をしたことがあるのは52.4%に。
つまり1年以内に募金経験がある人のうち、約3人に1人がインターネットで募金をしているという結果になったそうだ。

確かに今年はハイチ地震などでネット募金を呼びかけるポータルサイトや記事も多く、流行のTwitterでも募金システムがつくられるほどだった。
多くの人がインターネット募金の存在を知り、そのハードルの低さを実感した1年だったのではないだろうか。

実は私もハイチ地震の折、初めてインターネット募金をしてみた。
募金先は日本ユニセフ協会だ。
しかし後になって分かったことは、
国連のユニセフ日本ユニセフ協会とは基本的には別団体ということ。



「ユニセフ」という名称は同じでも、日本ユニセフ協会はユニセフ本部と協力協定を結んでいる団体であり、日本における民間協力の窓口として運営されている非政府組織であって国連機関ではない。
要するに日本ユニセフ協会は
国際連合児童基金 (ユニセフ) の日本事務所ではなかったのだ。

また日本ユニセフ協会が集めた収入は、協会の活動費として用いられる会費の他は、ユニセフとの協定により一部(25%以内)をその活動費(人材育成・広報・人件費・光熱水費等)やユニセフ活動の啓蒙費等に当てられ、その残額がユニセフに拠出される。
ユニセフ本部に全額が送金されないというから驚いた。
Wikipediaによると、2007年度は日本ユニセフ協会は176億5671万円を集め、その81%をユニセフ本部に拠出したそうだ。
私の考えが浅はかだっただけなのだが、約20%は日本ユニセフ協会が中抜きしていてたというのは盲点だった。

その後、この件は
アグネスチャンに関する記事でも指摘され話題になっていたので、私同様に驚かれた方もいるのではないだろうか。

結局のところ、日本の民間窓口として対応しているのだからその分手数料をとっているということらしい。
人はボランティアだけではご飯を食べてはいけないので、最終的に被災地に届く費用は当然目減りしてしまう。
しかしそのレイヤーが少ないにこしたことはなく、活動団体としてそれを明確にする必要がある。
だから、勘違いや疑惑を呼んでしまう。
実際、国連のユニセフも日本ユニセフ協会もネットで検索してみると色々悪い噂もつきまとっているようだ。
人生初めてのインターネット募金は、ただの自己満足で終わったような気がして一抹のショックが心に残ってしまった。

また募金と言えば、以前マスコミが募金詐欺について報道したのを覚えているだろうか。
都市部の繁華街や駅前であたかも実在するようなボランティア団体を名乗り、地震や台風などの旬な話題に便乗して募金活動している集団の事だ。
アルバイトに募金活動をさせ、集まったお金は胴元の儲けとアルバイト費となり、一切募金はされていないと報道され大きく話題になった。
今でも渋谷などの駅前では同様の手口と思われる集団は後を絶たない。
真実を知らない老人や高校生などがお札で募金している光景を見ると胸が痛くなる。

一方最近では、外国人が「恵まれない子供たちのために募金をよろしくお願いします」といった自国への寄付を訴求し募金活動している姿を度々目にする。
これも手口は同じで、外国人をアルバイトとして雇う事で、同情をひき募金させようとしているんだろうと推測していたが、調べてみるとどうやら違うらしい。

これは「
マンフィーと青年基金」というNGO団体のマンフィー氏というガーナ人が、自身の故郷に小学校を建てたくて活動しているようなのだ。
こちらのサイトでインタビュー記事を確認する事ができる。
そのインタビューの中で彼は以下のように語っている。
「ODAやCSRのお金は裕福な人に持っていかれてしまうし、他の団体も信用出来ないから任せたくない。だから私は自分でお金を持って行って、自分で学校を作りたいのです。」と。


NGOやNPO団体というのも玉石混淆なので素直に信じる事は難しいが、彼の信念に共感し寄付することは悪くない。
これは、架空の団体を装い天災をネタに募金活動しているのとは種が異なる。
何故なら目的がニッチで、ここでしかその目的に沿った寄付は行えないと思われるからだ。

結論として、天災や動物愛護など寄付先が明確な場合、気分や勢いで街頭募金に参加するのは賢明ではないということ。
そこでの寄付は自己陶酔や自己満足でしかないという事に気づかなければいけない。
寄付先が明確であれば、目的に合わせた募金団体をインターネットで探して、より効率的に寄付先に費用が届くのかを考え行動すべきだ。
なお、寄付先が明確でない寄付はお金を捨てる行為であり偽善になってしまうので、今一度考え直した方が良いと思われる。



0 件のコメント: