2010年3月28日日曜日

【BOOK REVIEW】インターネット新世代

インターネット新世代 (著)村井純



本書はWebやMobileのインフラであるインターネットについて、誕生から今までの歴史を紹介しながら、これからの姿を紐解いている。

興味深いのはインフラビジネスの課題について。
最初に線や基地局を設置したり基盤を提供する時期には大きな利益を得ることができるが、十分にインフラが広がりそれが当然になると、古い設備を入れ替える事業は大きな負担になりなかなか手を出せない。
そして安くて良いサービスが登場し乗り換える必要が出てきたら、古いインフラを維持することはできなくなる。

このようなジレンマをどのように乗り越えるのかが課題になってくる。

また、インターネットには国境が無いため、今まで国単位で決めてきたシステムの基準や規制を世界共通で決めていかなければならないと著者は指摘している。
例えば違法ダウンロードが蔓延している音楽などの知的財産権の保護などが良い例だ。
これは裁判を始め、様々な場所でもっと議論をしていくべきことだろう。

だが先日からのGoogle問題など、中国当局によるインターネットの関わりは国際協調されているとは言い難い。
知的財産権についても世界の多くの国の基準からは大きく逸脱している感が否めない。
中国語のウェブページが日本語のページを抜き、インターネットの発展において中国が大きく寄与している今、中国のスタンスは今後のインターネットの世界に大きな影響を与えるのかもしれない。



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