大人げない大人になれ! (著)成毛眞
マイクロソフト日本法人の元代表取締役である成毛氏が自身のエピソードや、持論を展開している本。
本書では「大人げなさ」は人生を楽しむ道具であるとして、大人げない人生で成功している例の紹介、人生を楽しむための著書からのメッセージや提言が盛り込まれ、周りと同じことをするのではなく人生をクリエイティブに面白く生きることを提唱している。
共感できたメッセージを幾つか紹介したい。
・夢中になることが最高の才能
これは非常に共感できるメッセージだ。
「努力できる事が才能」とも言い換えてよいのではないだろうか。
夢中になれる事、努力できる事はその事柄に対しての才能があるということに他ならないと思う。
しかし現実的には、好きなことを仕事にできるのがベストだと誰もが感じているが、夢中になれるほど好きなことが無いのがほとんどだろう。
仕事の中で夢中になれた瞬間があれば、実はそれは天職なのかもしれない。
・我慢なんてしなくていい
我慢や忍耐や苦労が美徳とされているが、本当にそれが自身にとって必要なのかを考えるべきだと著者は言っている。
確かにこのような日本古来のドM的な美徳はナンセンスだと感じる。
1つ目のメッセージとも重なるが、周りから我慢や辛そうだと思われていても、夢中になることや好きな事をやっていれば、本人はそれを我慢だと感じないはずだ。
そして自身にとって必要なことであれば、能動的に楽しみながら取り組む事ができると言うことなのではないだろうか。
・目標を持ってはいけない
著者は目標に縛られることで窮屈な人間になるなと提言している。
確かに長い人生の中で先にゴールを決めては面白くない。
目の前の壁を乗り越えたら、目標はさらに高いところに持っていけるはずだし、様々な要因に対して臨機応変に目標を変えていく事は必然である。
・あるがままでいることが個性
人に長所や短所があるということ自体がナンセンスだとしている。
確かに欠点も含め個性なのだから、逆にその個性を活かせることを考えた方が自分らしい。
人と違う個性は日本だと短所とされがちだが、それは個人を惹き立たせる立派な個性だと思いたい。
・空気を読んで空気のような人になる
著者はKYという流行語に危機感を感じ、「空気」を読んでばかりいる人は、いてもいなくても大差のない存在感の無い人とし、付き合う価値が無いとしている。
これは、「赤信号みんなで渡れば怖くない」「朱に交われば赤くなる」「出る杭は打たれる」といったことに警鐘を鳴らしているのかもしれない。
TPOをわきまえる事は当然だが、自身を見失いその場の空気に流される事だけは避けるべきだ。
本書は成毛氏の持論であるので、全て共感する必要は無いし、逆に本書の内容を踏襲することは自身の個性をつぶすことにもなる。
また、ありのままの自分を貫き通したところで、多くの人はご飯が食べていけないだろう。
重要なのは、人生は1回きりということ。
私も常々思うのは、一生青春でありたい、後悔だけはしたくないということ。
だからこそ、やりたいことはやっておく、好奇心や刺激的な体験を積み重ねるというメッセージは心に響いた。
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