2010年1月6日水曜日

ごね得の派遣村に思う未来の日本

派遣村の品格 [産経新聞]

本記事によると、公設派遣村では行政側と入所者の衝突が絶え間なく続き、職員の口のきき方や昼食代の現金支給を求めるなど、入所者への対応に職員は右往左往しているとのこと。
そして公設派遣村を出たある一人は、「不平を言えば融通が利く。みんな“ごね得”だと気付いている」と“村”での生活を皮肉ったようだ。

公設派遣村で相談窓口を設けても、具体的に仕事の斡旋ができていないため、なかなか出所できない。
確かに入所者は仕事が必要なわけで、行政側が住居や食事の支給を続けていても根本的な解決にはなっていない。
そうした中、入所者の不平や不満が募り、行政側に様々な要求をしているのだ。
国民へのPRと選挙に向けての良好なイメージづくりのために、政治家も公設派遣村で問題を起こすわけにはいかないから、行政側の立場も弱く、要求をのんでしまうため結局“ごね得”の形になっている。

このような“ごね得”の発生には高い危険性を感じる。
というのも、民主党の政策にあるようなセーフティネットの充実は、一辺倒になりすぎるとモラルハザードの懸念が出てくるからだ。
要するに、一生懸命やらなくても国が保護してくれるから、必死に生きていくモチベーションが下がってしまうのだ。
現にきちんと年金を納めてきた年金受給者より、生活保護者の方が受給金額が多い場合もあるというのだから歪んでいることが分かる。

必死に稼いでもその儲けが税金で搾取され、低所得者へ流れていくスキームは、公平や平等とは思えない。
過剰なセーフティネットは経済の停滞、さらには人間の向上心も削ぎ落とすことになる可能性があるのではないだろうか。
その中、民主党は日雇い派遣を含む登録型派遣の原則禁止、製造業派遣の原則禁止などを進めているのだから先行きも暗くなる。

こちらのエントリーも参考までにどうぞ。
Chikirinの日記「生活保護村 (未来フィクションシリーズ)」


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