生き物をめぐる4つの「なぜ」 (著)長谷川真里子
著者は本書を通して、生物学はつまらない暗記科目ではなく、生き物が存在している背景や進化の過程に「なぜ?」という疑問や好奇心を持つことで生き物の素晴らしさが実感できることを語っている。
生物の不思議な特徴について、オランダの動物行動学者ニコ・ティンバーゲンは、4つの「なぜ」に答えなければならないと考えた。
それがどのような仕組みであり(至近要因)、どんな機能をもっていて(究極要因)、生物の成長に従いどう獲得され(発達要因)、どんな進化を経てきたのか(系統進化要因)の四つの要因である。
これらの問いをベースに、話しが進んでいく。
本書では、「雄とは何か?雌とは何か?」から始まり、様々な動物を例えにして「なぜ?」を解明していくのだが、基本的には全ての動物の進化や行動や特徴は、子孫を残すためであり、ホルモンが重要な役割を果たしていることなどが分かる。
確かに生物学は暗記も多い上、豆の遺伝や花の受粉など至近要因の話しばかりで、リアリティも無く興味がわかなかったが、本書のように「発達要因」「系統進化要因」までを解き明かす学問としての生物学になると、非常に好奇心が溢れ興味深く感じる。
ただ本書で登場している動物たちの行動や特徴もまだ推測の域でしかない事も多く、これだけ文化が発達しても地球の生物について解明されていない事が多い事に改めて気づかされる。
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