2009年4月18日土曜日

【BOOK REVIEW】経済ってそういうことだったのか会議

経済ってそういうことだったのか会議 (著)佐藤雅彦/竹中平蔵



小泉内閣にて民間人として経済財政政策担当大臣や内閣府特命担当大臣を務め、金融・経済面で小泉政権を支えた竹中平蔵。
電通のCMプランナーとして「ポリンキー」や「ドンタコス」、「バザールでござーる」など多くのヒットCMを手がけ、さらに退社後には「だんご3兄弟」の作詞・プロデュースした佐藤雅彦。
本書は、その二人の対談で「経済とは?」について解き明かすべく進行される。
経済にあまり興味の無かった佐藤氏の素朴で鋭い疑問に対して、竹中氏が丁寧に易しく答えているので非常に分かりやすい。

二人の会話で興味深かった一つに、マーケットでの競争についての話しがある。
本書では健全な競争と無意味な競争の二つに分けている。
例えば無意味な競争は、レッドオーシャンにみる商品の本質価値とは別のフェーズで競争してしまう事や、以前の金融業界のように弱い企業に合わせた護送船団方式などが挙げられている。
そして佐藤氏は下記のようなコメントも。

今の日本の音楽業界を見ていると、プロデューサーは売れっ子の誰それで、歌は今一番人気のある誰々に歌わせて、それを新しいテレビのドラマの主題歌にして・・・っていう具合に、記号的にこうやってこうやれば競争に勝ち抜けるっていう形とか計算がある場合が多いんです。音楽性とか関係なくて。
で、ドラマの主題歌に決まると、打ち上げなんかで盛り上がってるから、「どんな曲なんですか?」って聴くと、「曲はまだできてません」って言うんです。それでも実際競争を勝ち抜いていくんですよね。こうやってできた歌は、百万枚、二百万枚と売れるんです。でも、三ヶ月後には飽きられて、中古市場に回ります。こんな悲しい事はありません。

笑ってしまう話しだが、後世に残らず、そして人の心にも残らない、ただ消費されていくだけの音楽が生み出されていく競争は、やはり健全ではない。
ソニーのウォークマン、appleのiPod、ビートルズの楽曲などのように、ライフスタイルを変えてしまうような新しい価値やマーケットを生み出す競争が健全なのである。

なお本対談は2002年に行われているので、内容が古いのが残念。
今の経済環境だからこそ、もう一度対談して、是非私達に新しい考え方を教示してほしい。


1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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