2009年2月26日木曜日

消費者を無視した大衆薬ネット販売議論

現在、厚生労働省では一般用医薬品(大衆薬)のネット販売について議論されている。
厚労省の大衆薬のネット・通信販売の規制した省令に対して、ネット販売会社が猛反発しているからだ。

厚労省側は、「安全性の確保は対面販売が必要」「副作用が起きた場合に迅速に対応するために対面販売が必要」とし、6月以降大衆薬のネット・通信販売を禁止した。
しかし安全性を最優先としているが腑に落ちない説明が多い。

そもそも普段薬局で大衆薬を購入する際に副作用を指導されることは稀だ。
現在の薬局は化粧品や日用品との複合販売で、ほぼスーパーと変わらず、大衆薬を販売する際もただレジを通すだけだからだ。
また厚労省が心配する程の副作用のある大衆薬があるのであれば、薬局での販売を辞めるべきで、医師の指示のもと処方箋と一緒に渡すべき。
だいたい消費者の健康の安全性を最優先としながら、タバコを流通させているのだから矛盾している。

今回の省令は、厚労省の建前とは別に様々な思惑もあるとされている。
それは厚労省が並行して創設しようとしている医薬品の販売資格制度だ。
この制度は、販売資格を保有していれば薬剤師のいないコンビニやスーパーでも対面販売できるようになるという。
そして大衆薬の対面販売が義務づけられれば、販売資格制度が広く普及する。
要するに販売資格制度が普及すれば、制度を取りまとめる協会や団体が必要になり、このような販売資格制度の受け皿が厚労省の天下りとして考えられているということになる。
ひどい話しである。
過去にも、旧大蔵省時代のフィナンシャルプランナー、経済産業省のITコーディネーター、文部科学省の漢字検定協会など、同様の天下り先づくりが行われているそうだ。

そもそもこの省令へのパブリックコメントは97%が規制反対だったそうだが、その事実を厚労省が隠蔽した経緯もある。
薬の副作用についての認識が甘いかもしれないが、このような議論の内容を見ると明らかに厚生労働省側が消費者を無視した意見になっていて、売る側のエゴにしか思えない。

この議論で、楽天の三木谷氏が副作用や消費者側にたった視点で、様々なルール案を提案して奮闘している。
楽天などが目立つとネット業界の既得権益確保だと思われがちだが、明らかに三木谷氏が理にかなっている。
楽天ではネット署名も展開しているので、一度考えてみてはいかがだろうか。


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