2009年2月20日金曜日

新生銀行の高金利定期の裏表

新生銀行「高金利定期」の裏事情!?

新生銀行が昨夏から募集している「実りの特別円定期」が預金者からの人気を集め、なんと4カ月半で預金が1兆円に達したそうだ。
だが、高金利の裏にはそれなりの事情が隠されていると言う。

「実りの特別円定期」は100万円以上の預け入れが対象で、金利は1年物で1.1%、5年物で1.7%、10年物で2.0%など、他行と比較すると非常に高い金利設定だ。
ただ業界内では「新生銀が高金利を設定したのは、台所事情の苦しさの表れでは」と冷ややかな反応なのだそうだ。

新生銀行は、定期預金残高は順調に積み上がっているものの、実際のところ普通預金残高は2007年9月から2008年9月までの1年間で10.5%も減少している。
さらに、機関投資家向けに発行した利付金融債の市場流通価格が、残存期間約1年のもので92円程度まで値下がりしているという。

この債券を92円で購入して1年間保有すれば、100円で償還を受けられるというわけで、年間利回りは8%以上に達するのだから、非常に得な気もする。
しかし業界内では「機関投資家は新生銀に1年間資金を投資するなら、8%以上の利回りを受け取らなければ、リスクに見合わないと判断しているということ」と逆の考えを示している。
要するに、関投資家は新生銀行を非常にリスキーな銀行とみているため、債券の価格が大きく値下がり(利回りは上昇)しているということ。
だから新生銀行が、機関投資家に利付金融債を新たに発行して資金調達する場合は、市場で残存期間1年の利付金融債を92円で購入した方が高い利回りが得られるので、
8%以下の利回りでは相手にされないということになる。

結局のところ、新生銀行としては、機関投資家との駆け引きよりも、一般預金者をターゲットに1%台の金利の定期預金で資金調達した方が効率が良いと判断しているということ。
確かに、1,000万円預けて1年後に11万円の利息がつくのであれば、現況を考えると国債や株よりも効率が良いのかもしれない。

ただ気をつけたいのは、リスクを考慮し預入額はペイオフ対象範囲内の1,000万円+利息分までとしておきたいところ。
また金融危機が続く中、倒産リスク以外にも流動リスクや円安リスクなども危惧して、長期定期は避けたほうが望ましい。


0 件のコメント: