金融危機により世界同時株安になっている今、再度株式の基礎知識を整理したいと思う。
株式とは、株式会社に資金を出資している証として、株主に対して発行されるものである。
株主の権利として、
●株主個人の財産的な利益のための権利である自益権(剰余金配請求権など)
●会社の利益のために行使する権利である共益権(議決権など)
などがあり、大株主に与えられる少数株主権では取締役解任請求権や帳簿閲覧権もある。
■株式の種類
<取引単位別>●単元株株式の最低売買単位。上限を1,000株とし企業が自由に採用。1単元に付き1議決が付与。●単元未満株単元株に見たない株で、市場で売却できない。発行会社に対して買取請求することは可。
<権利内容別>●普通株標準的な株式。●優先株配当などの分配で優先的な取り扱いを受ける株式。普通株が消化できない場合や自己資本の強化に発行される場合がある。通常議決権が無い。●劣後株配当などの分配で劣後的な取り扱いを受ける株式。一般株主を優先させるために経営者などに対して発行される場合がある。
■株式の流通市場
日本の証券取引所は6箇所。
なお新興企業向け市場のマザーズは東証内、ヘラクレスは大証内の一部門として設置。
東京証券取引所(第1部・第2部)/大阪証券取引所(第1部・第2部)名古屋証券取引所(第1部・第2部)/札幌証券取引所福岡証券取引所/ジャスダック証券取引所
■株式売買
取引は原則として約定日から起算して4営業日に決済を行う普通取引となる。
約定日に決済を行う当日決済取引や発行日決済取引などもある。
購入・売却ともに委託手数料+消費税が発生する。
<注文方法>●指し値注文希望する売買価格を指定して注文。買い注文の場合、自分が希望する価格もしくはそれよりも安い価格で買うことができる。売り注文の場合、自分が希望する価格もしくはそれよりも高い価格で売ることができる。ただし条件に合致する買い注文・売り注文が無ければ売買は成立しない。●成行き注文希望する売買価格を指定せずに注文。売買は成立しやすいが、売買価格が読めない。
■代表的な株価指標
●日経平均株価東証第1部に上場している銘柄(約1,720社)の中から代表的な225銘柄の修正平均株価。毎年銘柄を入れ替えている。●東証株価指数(TOPIX)東証第1部に上場している全銘柄を対象とした時価総額指数。時価総額(株価×発行済株式)を算出する際に使用する株式数は浮動株数ベース。●単純平均株価上場銘柄の株価を合計して銘柄数で割ったもの。
その他日経500種平均株価やジャスダック指数など幾つか指標がある。
■投資尺度
●株価収益率(PER)=株価/1株あたり税引後利益(純利益)PERが低いほど株価は割安で買いとされる。●株価純資産倍率(PBR)=株価/1株あたりの純資産PBRが低いほど株価は割安で買いとされる。●自己資本利益率(ROE)=税引後利益(純利益)/自己資本ROEが高いほど収益性が高く経営が良いとされる。なお自己資本にはBSの借金が入らなため疑うことも必要。●配当利回り=1株あたり配当金/株価投資金額に対する配当金の割合。●配当性向=1株あたり配当金/1株あたり税引後利益利益に対してどれくらい配当が行われているのかを表している。
■株式の課税
●配当課税平成22年12月31日までは、源泉徴収税率10%(所得税7%、住民税3%)。企業が法人税払い込み後の利益から配当しているため、二重課税防止の観点から、確定申告をして配当控除が可能。●売却益課税平成22年12月31日までは、源泉徴収税率10%(所得税7%、住民税3%)。
通常確定申告の手間を省くため特定口座を開設する場合が多い。
※下図ソニー銀行H.P.参照
株式への投資は債券に比べリスクも大きいため分散投資が重要となる。
代表的な分散投資には、動きの異なる複数の銘柄に分散投資する「銘柄分散」、投資する時期を分散するドル・コスト平均法といった「時間分散」などがある。
株式市場自体に市場リスク(下図)があるためリスクをゼロにはできないが、組入銘柄を増やすことで銘柄固有の要因によるリスクである非市場リスクを限りなくゼロに近づけることができる。
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