2009年1月10日土曜日

国際会計基準による日本企業の憂鬱

子会社を上場させて子会社株式を売却し、資金調達の売却益をPLに計上する会計方法が、今年7月からできなくなる。

これは国債会計基準が適用されるからであり、子会社の株式の売却を利益捻出手段として活用してきた日本企業にとっては大きな痛手となる。

下記、現日本会計と国際会計の違いを日本経済新聞から抜粋。
日本は親会社の株主の立場で決算書を作成する「親会社説」を採用
一方、国際会計基準では親会社以外の子会社株主も株主と位置づける「経済的単一体説」を採る。
子会社株式の売却は、親会社が少数株主へ持ち株を譲渡する取引。
少数株主も連結グループの株主と位置づけると、内部取引になるため、売却益は計上できなくなる。

個人的には国際会計基準の方が合理的で当然だと納得できる。
今までの日本の決算が企業側にとって有利に作られていたのは否めないだろう。

日本経済新聞は、資金調達と売却益と言う財務面の二つのメリットのうち売却益が封印される事で、企業の子会社上場への姿勢は変化し、減っていくだろうと指摘している。

現在株価は急落し低迷を続けているが、国際会計基準の適用前に、グループ会社株式を売却し、2008年度の決算書に売却益を計上する企業も増えそうだ。

しかし、上場目的で子会社化した会社が、思うように収益が停滞しなかなか上場できずに国際会計基準を迎えてしまうと、親会社としては苛立ちを覚えるだろう。
また子会社上場後も現在のような市況だと、各グループ企業の有価証券の評価損を計上しなければならないので非常に辛いところ。
親会社も子会社も憂鬱な時期なようだ。


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