2009年1月8日木曜日

負け続けているソニーブランド

昨年に東芝の「HD DVD」事業の終息により、次世代DVD規格として標準となったブルーレイディスクレコーダーを世界で初めて発売したのはソニーである。

そのためか、ソニーはブルーレイのパイオニアであり先導者的存在とのイメージがあったが、実際は販売で大きく苦戦しているそうだ。

以下、「西宏のマーケティングエッセンス」より一部を抜粋しながら整理してみる。

インターワイヤード株式会社が実施した 「ブルーレイディスクレコーダーに関するアンケート」によると、ブルーレイと聞いて思い浮かぶのは、1位が「SONY」、2位に「矢沢永吉」となった。
SONYのテレビCMによるイメージづくりの効果が浮き彫りとなっている。


しかし、「ブルーレイといえば、SONY」というイメージづくりができ、ブランディングに大成功したように思える一方で、実際の売上げランキングでは、PanasonicやSHARPが上位を競い合っているそうだ。
なんと売上上位10機種の中にソニーの商品は1機種のみだそうだ。

とても不思議な話しである。


この結果を大西氏は、

大量の広告を投入し、「ブルーレイといえばSONY」というイメージづくりに成功して、売上げが冴えないということは、そこにテレビ広告の限界が垣間見えるように感じます。ちょっと放送局にとってはかなり痛い結果ではないでしょうか。

と考察している。


さらに「購入する際に参考にしたものアンケート」では、カタログやインターネットが上位でTVCMは6位に。

インターネットや情報の過多により消費者の知識が増えていること、ブランドよりも実用性を重要視していることがうかがえる。


これには大西氏は、

実際には、PanasonicやSHARPというこのカテゴリーで強い他のブランドがあるなかで、SONYはポジションとしてはチャレンジャーでしかないにもかかわらず、差別化の焦点を絞らずに、あたかもリーダーであるかのようなイメージづくりをやってしまったマーケティングの失敗というところで落ち着きそうです。

と考察している。


確かに「世界のソニー」というのは過去の話しなのかもしれない。

「WiiとPSP」「AQUOSとBRAVIA」「macとVAIO」「IXYとCyberShot」など各カテゴリーで劣勢続きで、今はチャレンジャー企業である。

にも関わらずプライドが先行し、リーダーを誇張しているのが裏目に出ているのか。

リーダーであるべきであるソニーと、チャレンジャーであるソニーとのジレンマなのかもしれない。


ブランドとして、頂点に君臨する韓国のsamsung、三洋電機を買収したPanasonicから凌駕されている感は否めず、それは学生の就職ランキングにも表れているようにも思う。

(下図、上が2008年就職ランキング理系男子、下が理系女子。)



ブランド回復、商品販促ともに、やはりメーカーは原点である『商品』の質が最重要。

本質である商品づくりからのブランド力回復を期待したい。


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