2008年12月8日月曜日

意外な日本人死亡原因のトップ


上記タイトル本の著者が指摘している、薬や病気に対する誤解が、なかなか興味深い。

まずは、風邪薬についての誤解について。
市販の風邪薬は熱を下げたり、鼻水を抑えたり、咳を和らげたりといったそれぞれの症状を軽くするのが主な働き。
風邪そのものを治す効果はなく、風邪をひきそうだからと予防的に風邪薬を飲用しても全く意味がないということ。
ということは、テレビCMの「風邪だと思ったら、すぐに〜」といった宣伝文句は誇大広告になる。

また、そもそも軽い病気や不調は自然治癒力で治ると指摘している。
必ずしも治療が必要でない人が健康不安に駆られて病院に押し寄せるため、待ち時間が長くなり一人当たりの診療時間が減る。
そして本当に治療が必要な人がきちんと診療できず割りを食う。
妊婦など急患のたらい回し事件もこのようなことが寄与していると言う。

そして、医師の助言は結論では無いと言うことも指摘。
医師は症状を見た後、セオリーにのとって選択肢の一つを提示しているに過ぎないと言うこと。
実は治療をしなくても問題無いケースも多々あると言う。
ただ冒頭の理由で短い診療時間の中、じっくり言葉を交わして、様々な治療方針や費用・時間を考慮した選択肢の提示、患者の健康観を斟酌するなどの余裕もないとのこと。

要するに、我々患者側が単純に医師に任せきりで提言を受け入れるのではなく、自身の健康に責任を持ち、症状を自ら調査するなりして問題意識を持ち、医師と建設的な対話することが必要なのだ。
昔のように医師を先生として崇め全てを受け入れるのではなく、医師をパートナーとして、コンサルティングしてもらうことで、一緒に自身の健康を解決していくことが良いのかもしれません。

ちなみに、20〜44歳の日本人死亡原因のトップは自殺なのだそう。
これはフィジカル面の病よりも、メンタル面の病の方が多いことを示唆している。
急患のたらい回しから医師不足、病院不足を懸念されているが、気軽にカウンセリングができるメンタル面の診療所こそ増やすべきなのかもしれない。


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