2008年6月12日木曜日

統計は疑ってかかれ!


世の中のニュースや企業の資料を見ると、統計や平均などの文字、そして様々なグラフが氾濫している。
あたかも正しいように主張しているそれらは、実は大げさに誇張したり、もっともらしく加工したり、たいした内容も無かったり、と制作者のトリックが潜んでいるかもしれない。

そこで最も分かりやすいトリックの事例として、今回は“平均”についてエントリー。

下図は会社の給与体系の一例。
さて、この会社の給与平均は一体幾らになるだろうか。


きっと、会社側は求人広告の社員平均給与欄にはこう記すだろう。
「我が社の社員の平均給与額は570万円」だと。

数字上は間違っていないが、図を見る限り納得がいかないのは明白。
ここがトリックなのだ。

この図の中で“平均”とは、
●数字上の平均値である「算術平均」=570万円
●全体のちょうど真ん中に位置する(彼の上に12人、彼の下に12人)「中央値」=300万円
●この会社で最も多い給料である「最頻値」=200万円
のいずれかを言ってもウソにはならない。

会社側は良く見せたいので「算術平均」の570万円を訴えて当然。
しかし、求人広告を見る側としては「中央値」が最もよく説明が通り、そして「最頻値」が最もよく会社の実情を知ることができる。

さて、世の中的に“平均”というと「算術平均」が多く使用されている。
と言うことは、図で言う「4,500万円」「200万円」のように、一部の高い部分・低い部分が隠されている可能性がある。
一部の高所得者が「算術平均」を跳ね上げていることもあるのに、「算術平均」では格差について一切見えてこない。

今後“平均”という言葉が出たら、要注意。
どの平均をさしているのか注意深く探ってみよう。

本エントリーに興味のある方は、下記の本をどうぞ。

<参考・出典>統計でウソをつく法


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