2008年5月13日火曜日

ナイルパーチ


以前、
『食』に関することをエントリーしたが、その続き。

話題としてはだいぶ遅いのだが、映画「ダーウィンの悪夢」に出てくるナイルパーチについて。

ナイルパーチはアフリカの河川や湖に生息する淡水魚。
「ダーウィンの悪夢」では肉食性のこの魚が湖の生態系を破壊し、それが地域の住民を中心に大きな影響を与えたことが描かれている。
日本でも琵琶湖にブラックバスが放流され、生態系が破壊されたことは知るところである。


さて、このナイルパーチ、実は日本では白身魚として一般的に食されている魚。
給食やお弁当などのフライ、回転寿司での白身、マクドナルドのフィレオフィッシュなど、白身魚の代名詞になっているが、あまりしられていない事実だ。

 

白身魚と言えば、タイ・ヒラメ・キス・スズキなどを思い浮かべるが、なんと食べているのは、海の幸ではなく、巨大でグロテスクな淡水魚。
しかも映画で紹介されているナイルパーチが捕獲できるアフリカナイル川の源流にもなっているヴィクトリア湖は、住血吸虫がいると言われ泳ぐことができず、また周辺の干上がりかけた水たまりには蚊の幼虫が泳ぎ、マラリアの感染原因ともなっているという。
ただそのナイルパーチは輸出用の高級魚で、現地住民は食べることができないそうだ。

不条理なスキームで互いにUnHappyになっていると感じるのは私だけだろうか。

また食材でよく話題になるのが“シシャモ”。
実は“シシャモ”というのは、北海道の一部でしか穫れない希少性の高い魚。
現在“子持ちシシャモ”としてスーパーなどで販売されている大部分が、キュウリウオかキャペリン(カラフトシシャモ)だ。
味はだいぶ異なるらしいが、海外でも一般的に食されている魚。

ここで注目したいのは、本来『食』したものも次第に流通量が多い類似品に移行し、ついには類似品がデファクトスタンダードになてしまったということ。
そうなると何が本物なのかが不透明になり、本物がマイノリティになってしまう。
なんとも考えさせられる問題だ。


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