2008年4月5日土曜日

掃除機戦国時代!


サイクロンか紙パックか?掃除機バトル壮絶

ダイソンの秀逸なキャッチコピー「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」「紙パックのいらない掃除機」に感化され購入しようと思って既に3年。
相変わらず我が家庭では往年の紙パック掃除機を使用中。

ダイソンの掃除機が発売された時は衝撃的だった。
「吸引力が変わらない」「紙パックが不要」「排出された空気が吸引前よりもきれい」など既存の常識を覆したのだから。
記事によると、サイクロン式の市場シェアは一時期40%まで達したとのこと。
現在はブームの沈静化と紙パック掃除機の進化により約26%まで下がっているらしいが、停滞していた掃除機界に大きな刺激を与えた事は間違いない。

それにしても、日本のメーカーは革命・創造する事は苦手だが、改善することにかけては素晴らしい。
ここ数年の日本メーカーによる掃除機の進化は目を見張るものがある。
以前は画一的なスペックでブランドPRによりブランド名による安心感で選択されていた掃除機も、今は選択するのに事前に調べる事が必要なくらいスペック勝負になってきている。

そこで下記2点について検証。

①ユーザーの使い勝手について

スペック勝負になると以外と忘れがちな点だが最も大切なこと。
テレビは悪い例で、大きさや画質などのスペックにこだわるあまり、日本の多くの家庭では不必要なビッグサイズばかりが家電量販店で販売され、若干の画質の違いでアピールしている。
結局画一的になり、選択ポイントは「亀山式」などのブランド要素になってしまう。

私がダイソンの掃除機を購入しなかった理由も使い勝手が万全ではなかったから。
スペックに感銘を受けたが、重いしデカイし狭い日本に家庭では使用しづらい。
慣れもあるのかもしれないが、動き方も含めて特に女性に扱いにくい商品だと感じた。
日本の住宅事情を考えると、重量・サイズはプライオリティは高いはずで、総合的なバランスを考慮すると日本メーカーも負けてはいない。

やはり日本の家庭では
・片手でスムーズに動かせる軽さと思いのまま動かせるヘッド
・収納に便利なサイズと収納スペースに合わせられる折り畳み具合
・充電式による電源コードの排除
・クリーン排気とクリーンなゴミ捨て方法
・畳、絨毯、フローリングへの汎用性
といったところか。
結局のところ、靴を履いて部屋に入る欧米とは決定的に床に対する美意識は異なるのだ。

②販売戦略について

ダイソンの掃除機は価格が高く値下げもしない。
これはappleにも通じる事だが、決して金額により価値を下げる事をしない。
価格勝負の世界に一歩踏み込んでしまえば後は骨肉の争いになる事が分かっているからだ。
そして紙パックの有無による収益スキームの違いもある。
紙パック採用の掃除機は、使用される限り半永久的に紙パックが消費されるため、メーカーも継続的に収入が見込めるのでイニシャルコストは低く抑える事ができる。
これはプリンター自体を安く売り所有者を増やし、その後インクで収益を稼ぐキャノンの戦略と同様である。
先日開始された携帯電話の割賦制度にも近いのかもしれない。

①②より、なんとなく使用している掃除機も、マーケティング戦略と開発技術能力の組み合わせが重要だということが見えてくる。
マーケティングと開発技術が社内でマッチングできないと、戦国時代では命取りかもしれない。


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