2008年2月20日水曜日

ゼロ円ビジネスの脅威



記事によると、大学内でゼロ円ビジネスが広がっているとのこと。

例えば、
用紙の裏を広告にすることで学生が無料でコピーできる「タダコピ」
ルーズリーフの下に広告が入り無料で配布されている「エコフル」
などがあるらしい。
「タダコピ」については年間3億円近くの売り上げになるらしく、大きく成長しているのがうかがえる。

ゼロ円ビジネスで思い浮かぶのは、まずフリーペーパー。
リクルートのR25やHOTPEPPERが有名だが、街中には様々なフリーペーパが溢れている。
しかし最近では創刊されては廃刊されるの繰り返しで、次第に淘汰されている観がある。

近頃、大学内でも多くのフリーペーパーが存在しており、出稿依頼の問い合わせなどを受けることもある。
一昔前は大学構内での広告活動は非常に敷居が高かったのだが、すっかりオープンだ。
大学側が経営的にお金が必要になってきたからか、学生のニーズなのか。

今回の記事で考えさせられることは、
モノには価値があるという点。

今やインターネットの台頭で情報は無料というのが当たり前。
新聞や雑誌を買わなくても、インターネットやフリーペーパーが代用してくれる。
そもそもテレビ(民放)は無料が当たり前だし、音楽も次第に無料化している。
そのうち携帯電話も無料化へ動くだろうと思われる。

ここで間違ってはいけないのが供給側の姿勢。
消費者に無料で供給することが一番重要ではないと言うこと。

供給側が儲かるビジネススキームをつくり、結果的に消費者に良い物を続けて供給できるのであれば無料でもいい。
消費者が無料で供給されることで、供給側が儲からないのでは、次第にクオリティは下がり安定供給が望めない。
必要なのは、無料にすることではなく、それぞれが価値を見出しているということが重要。

受け取られてすぐ捨てられてしまうモノ・情報は多くある。
無料でも価値の無いモノ・情報は見向きもされない。
「無料=価値が無い」という受け取られ方にしてはいけないのだ。

そして我々も価値を見定める力が必要。
供給側の一方的な意思で市場に出ている玉石混淆のモノ・情報をいかに自分の知識や経験というフィルターを通して取捨していくか。
金額の高いモノが良いモノなのか、大手小売店に売っているモノが良いモノなのか、著名人が勧めているから良いモノなのか。

日本という国は、供給側が安心安全を提供してくれるということを疑ってこなかった。
供給側のエネルギーが先行していたため、消費者は非常に受け身だったのかもしれない。
現に、日本ではインターネットの検索エンジンでgoogleよりyahooが圧倒的にシェアをとっているのは、供給力の差だと感じる。
受け身になれている人は、やはりgoogleよりコンテンツの多いyahooが使いやすい。

今携帯電話世代の若い人は能動的に情報を収集する力に長けている。そして検索する力も長けている。
子供の頃から情報が氾濫している中、玉石混淆を取捨選択することに慣れている。

「タダより怖い物は無い」と言っているのは受け身に慣れている大人達。
良いモノは高いという固定観念と自分で判断できていない甘さ。

今後、取捨選択能力の高い若者が、知識と経験を積み、価値判断能力を身につけていくと、ゼロ円ビジネスの可能性は更に広がっていく。


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