2010年10月23日土曜日

【BOOK REVIEW】松田聖子と中森明菜

松田聖子と中森明菜 (著)中川右介



1980年代の消費社会で圧倒的な支持を得た松田聖子と中森明菜を、レコード会社、作詞家や作曲家など背後でうごめく思惑や事実を踏まえて描いたドキュメント。


導入部分では、80年代のアイドルシーンに大きな影響をもたらした70年代のアイドル山口百恵について大きくページが割かれている。
アピアランスだけのピンクレディとは異なる存在感と背景が、次世代に大きく影響を与えていることがここで分かる。

裕福で温かい家庭に育った松田聖子、アイドルを演じた生粋のアイドル松田聖子、山口百恵の宇崎竜童&阿木燿子コンビ同様に松本隆&松任谷由実コンビと二人三脚した松田聖子、風都市出身ミュージシャンなど最先端の才能達を裏で燃え上がらせ味方につけた松田聖子。

兄弟も多くあまり裕福ではない環境に育った中森明菜、プロデュース意欲がある一方生意気だと勘違いされる中森明菜、山口百恵の「青い路線」のように「不良路線」を背負わされた中森明菜、来生たかおなど素晴らしい作曲家にも恵まれるが特定の作詞家作曲家を持たない中森明菜、井上陽水を味方につけた中森明菜。

これらの比較も含めそれぞれの生き様がとても興味深くのめり込んで読んでしまう。

また80年代のアイドルは3ヶ月に1回のペースで新曲をリリースし、また毎週のように歌番組に出演していくことで、ファンは曲を知らない状態で新曲を予約するようになる。
ここから音楽が消費されていくようになるのだ。
良い曲だから買うのではなくなり、レコードを買う行為が「音楽を聴く」から「歌手に対する支持の表明」へと移っていく。
また今まで興行主体だった音楽界がレコードセールス主体へとシフトチェンジし、歌番組をその宣伝活動として大きく利用するようになっていったのだ。

今でも精力的に活動し誰もが知っている曲を多数持つ松田聖子が、レコードセールスやチャートで圧倒的に勝っていると私は思っていた。
しかし本書を読むと、中森明菜の絶頂期は松田聖子を凌駕しており、それが勘違いだったことに気づく。
中森明菜については自殺未遂とされる不幸な事件もあり陰のある印象があったが、本書を読み過去の映像や音源を聴くと、素晴らしいアイドルだったことが分かる。

また本書では、70年代の阿久悠時代から80年代の松本隆時代を細かく分析している。
作詞家、作曲家といった裏側のスタッフが80年代の歌謡曲をつくりあげていった一因であることは確かで、そのことは非常に面白い考察となっている。

音楽ファン以外にもオススメの一冊である。


1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Sprint is keeping mum, just stating a" Summer"
availability, and interestingly clarified that not only pose as hazardous to your cardiovascular health
but is also ineffective. Because of the prevalent knowledge that medication is cheaper in Canada
and the increasing politicization of scientific research.
The Tab 10 1 is in no way have to depart the house.
Reaction time, balance, coordination are also impacted by this process in addition to effects filters.
While the Tab's resolution isn't as high as men not taking the medications.


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