感染広告 (著)三浦明博
タイトルに惹かれて購入。
広告代理店のCD(クリエイティブディレクター)が、ビールのキャンペーンの現場責任者として、ウェブ中心の広告を仕掛ける。
感染爆発をコンセプトにバイラルマーケティングを主軸にした企画でプレゼンに勝ち、クチコミとパブリシティを狙ったイベント、ウェブ上のバイラルショートムービー、CMと連動させたタイアップ曲の無料ダウンロードなどを次々に展開していく。
ニュースにも取り上げられ、YouTubeでの再生回数が100万回を超えるなど大成功し商品販売にも弾みがつく。
しかし好調な展開の中、バイラルショートムービーを見た麻薬常習者が商品名を叫びながら自殺する事故が次々に起きる。
そしてバイラルで素早く広まった広告と同様に、悪評も瞬時に広まり、バイラルの表と裏を一度に味わう事になる。
結末はいかに??
といった、今風のWeb広告ネタでの小説。
バイラルと言う手法で広まった広告が、バイラルと言う手法によって堕ちていく様は悲しすぎる。
著者が広告代理店出身者ということで、代理店マン心情を中心に物語が描かれている。
そのため、クライアント側の視点で見ると、かなり残酷である。
たかが小説だが、本書でのクライアントと代理店の関係がパートナーではなく請負業者になっているところに、日本の広告代理業をあり方を反映している気がする。
さて、本書で面白いのは映像と音に関する様々な効果についても触れられているところ。
映像であれば、マインドコントロール作用があると言われている「サブリミナル」である。
本書ではバイラル映像の中にサブリミナルを盛り込んだ「バイリミナル(本書用語)」として登場する。
また音であれば、「バックワード・マスキング」だ。
これは、逆さ言葉を歌詞の中に入れメッセージを織り込ませる手法で、レコード盤を逆回しにすると、歌詞とは全く異なる意味の言葉が流れ潜在意識に働きかけるというもの。
本当か嘘かは分からないが、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、イーグルス、レッド・ツェッペリンなどはこの手法でセールスを伸ばしたとも言われているようだ。
また、特定の人にしか聞こえない低周波音であるモスキート音も登場。
これは一時期、足立区の公園に設置されたことで話題になった。
モスキート音は若者にしか聞こえないため、その周波数で不快音を出すことで、夜たむろしている若者を撃退するという実験だ。
これらの各効果が本書の中で素晴らしいアクセントになっている。
広告関連の業務に携わっている方には、面白く読めるのではないだろうか。
バイラルと言う手法で広まった広告が、バイラルと言う手法によって堕ちていく様は悲しすぎる。
著者が広告代理店出身者ということで、代理店マン心情を中心に物語が描かれている。
そのため、クライアント側の視点で見ると、かなり残酷である。
たかが小説だが、本書でのクライアントと代理店の関係がパートナーではなく請負業者になっているところに、日本の広告代理業をあり方を反映している気がする。
さて、本書で面白いのは映像と音に関する様々な効果についても触れられているところ。
映像であれば、マインドコントロール作用があると言われている「サブリミナル」である。
本書ではバイラル映像の中にサブリミナルを盛り込んだ「バイリミナル(本書用語)」として登場する。
また音であれば、「バックワード・マスキング」だ。
これは、逆さ言葉を歌詞の中に入れメッセージを織り込ませる手法で、レコード盤を逆回しにすると、歌詞とは全く異なる意味の言葉が流れ潜在意識に働きかけるというもの。
本当か嘘かは分からないが、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、イーグルス、レッド・ツェッペリンなどはこの手法でセールスを伸ばしたとも言われているようだ。
また、特定の人にしか聞こえない低周波音であるモスキート音も登場。
これは一時期、足立区の公園に設置されたことで話題になった。
モスキート音は若者にしか聞こえないため、その周波数で不快音を出すことで、夜たむろしている若者を撃退するという実験だ。
これらの各効果が本書の中で素晴らしいアクセントになっている。
広告関連の業務に携わっている方には、面白く読めるのではないだろうか。
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