2008年5月23日金曜日

1日で激変する恐怖


今年の春に話題になった南アフリカの新聞社『Cape Times』の広告。
以前ADNOMAにてエントリーされ、衝動が心を駆け巡ったので本ブログにて紹介。

広告のキャッチコピーは
“The world can change in a day.Don't miss your daily edition of in-depth news.”
「世界は1日で変わることがある。日々の詳細なニュースを見逃すな!」

そして、コピーとともに下記の写真が紹介されている。



1945年8月5日、原爆投下前日の広島の風景。
広島の原爆投下については周知の通りであろう。



1955年11月30日、モンゴメリー・バス・ボイコット事件前日のアラバマのバス車内の風景。

モンゴメリー・バス・ボイコットとは、アメリカアラバマ州都モンゴメリーで、公営バスの運転手の命令に背いて白人に席を譲るのを拒んだ黒人が逮捕されて罰金刑を宣告されたことに端を発し、公共交通機関における人種差別に抗議してボイコットした事件。
当時、バスの利用者の75%は貧しい黒人達で、公共交通機関に乗ることをボイコットしたため、モンゴメリー市に大きな経済的打撃を与え、その後最高裁は罰金刑を取り消し、バス車内の人種分離は違憲と認定しボイコットは終息。




1963年11月21日、ケネディ大統領暗殺前日のケネディ大統領宅の風景。

ケネディ暗殺事件は周知の通りだと思われるが、オズワルドが犯人として逮捕され生中継で射殺された。
オズワルドの犯人説には疑いが残り、複数人説や政府陰謀説など様々な憶測がささやかれ、今になっても真実は明らかになっていない。
なお証拠物件については政府によって2039年まで公開が制限されている。



1976年6月15日、ソウェト蜂起前日のソウェトの風景。

ソウェト蜂起とは、南アフリカで発生した武装蜂起。
アパルトヘイトを強化した政府の言語として「アフリカーンス語」が学校に導入されたため、白人支配の象徴と見なす黒人学生達の間に激しい反発が起こり抗議集会とデモに発展し、黒人学生1万人と警察隊300人が衝突する大惨事になった。
この暴動がアパルトヘイトの終わりの始まりを意味した出来事であると考えられている。



2001年9月10日、911テロ前日のニューヨークの風景。
これは鮮明に記憶されている事件。


この写真を1枚1枚見るごとに、1日で激変する世界に恐怖を感じる。

こられの写真撮影時には、撮った本人・撮られた本人達は、翌日以降に激変する世界を知らないのだから。
撮影時には、ただの風景写真。
しかし翌日以降、写真には多くのメッセージと想いが刷り込まれていく。

非常にインパクトのある広告で、ジャーナリズムの重要性を改めて考えさせられた。

※参照サイトADNOMA


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