2011年1月14日金曜日

ハロプロのソーシャルメディア活用がうますぎる

最近はミュージシャンやタレントが、自分プロモーションとしてアメブロをはじめとするブログや、Twitterを積極的に活用している。
一般的には楽屋などのオフショットや、メディアへの出演情報が多い。
特にアイドルなどは継続的なファンの囲い込みと、コアファンへの情報伝達手段として重要なメディアになってきている。

その中で、ハロー!プロジェクトのソーシャルメディアの活用が群を抜いてうまい。
通常アイドルはキレイな一面を見せたいため、写真や動画などは編集や選別などのフィルターをかけてから表に出していく。
しかしハロプロは、USTREAMによるライブ中継や、イベントのダダ漏れ中継、マネージャーが撮影した仕事現場の様子をYouTubeにUPしたりと、ありのままの様子を積極的に公開している。
USTREAMでは常に高視聴者数を獲得しランキング上位になっているし、YouTubeにも各グループごとにチャンネルが設置されておりPVだけではなく様々な趣向を凝らした動画がアップされている。
これはリスクが高く手間もかかるため、実は企業もタレントもなかなかできていないマーケティング手法だ。

背景には、マス広告を展開する体力が無かったり、AKB48側にメディア露出のイニシアチブが奪われていることなどがあるだろう。
現在アイドル群雄割拠の時代に入り、限られたファン層をいかに囲い込めるかがポイントになってきている。
なぜなら、収益源はCD販売でもメディアでの出演でもなく、ファンが購入するグッズやコンサート費用だったりするからだ。
だからこそマネージメントも試行錯誤しながら、いかに話題になるか、ファンに楽しんでもらえるかを考える。
しかしソーシャルメディアの活用は一歩間違えれば、炎上などの逆プロモーションにつながることもある。
そのリスクをトップが腹を据えて現場のマネージメントに任せているアップフロントの体質は非常に柔軟であり、ソーシャルメディアマーケティングの成功要因の一つになっている。

もう一つ成功要因は本人達のパフォーマンススキルだろう。
秋元康氏も公言しているように、ハロプロは音楽性が高くステージパフォーマンスのスキルが高い(らしい)。
それは秋元氏とつんく氏の戦略の違いなのだろう。
AKB48は口パクが多く、タレント性やエンタメ性を高めたアピアランスや存在感で勝負しているが、ハロプロはきちんと歌いながら難しいダンスを披露するなど昔のアイドルのような熱量を大事にしている。
過去のアイドルに例えると、AKB48はピンクレディ、ハロプロはキャンディーズと言ったところか。
このようにパフォーマンススキルがある程度高いため、ダダ漏れしていても大きく外れることが無い。
またなによりも、モーニング娘。を育てトップにしたマネージメントの経験と企業としての伝統が非常に大きいと思われる。

そのハロプロのソーシャルメディアの素晴らしい活用の一例が下記の動画だ。
これはハロプロ「℃-ute」のメンバーである岡井千聖さんが、昨年末の日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞したハロプロ「スマイレージ」の『夢見る15歳』を踊っている。
「演奏してみた」「踊ってみた」は世界中でバイラルを起こしているYouTubeのキラーコンテンツだ。
普通素人がプロの真似するところに驚きと感心が表れるのだが、岡井さんの場合はアイドルがアイドルの踊りを踊ってみるところに妙がある。
2010年11月9日に「℃-ute」公式YouTubeチャンネルにて自らの持ち曲「D
anceでバコーン!を踊ってみた 【岡井千聖(本人)】」という動画を公開し、その後2日間で10万回を超えるアクセスを記録し、もうすぐ100万回になろうとしている。
そして今回の踊ってみたはなんと2日で13万回超。
これは国内のプロモーションとしてはすさまじい数字だ。

YouTubeでバイラルをおこすと、ファンの広がりや国内の音楽ニュースに取り上げられるパブリシティ効果がある。
加えて見逃せないのは、海外からのファンを開拓しているということ。
現在話題のKPOP女性アイドル達の多くもモーニング娘。に大きな影響を受けているように、海外にも日本のアイドルに対するマーケットは確実に存在している。
いまやグッズもCDもネットで買え、音楽配信がある時代に、このマーケットの開拓につながるソーシャルメディアの活用方法は一目置くべきだろう。

マスメディアの影響でどうしてもAKB48やKPOPアイドルに注目しがちだが、ハロプロは侮れない。
『夢見る15歳』のダンスがエアロビのごとく激しく、それを踊りながら歌うなんて恐れ入る。
私もハロプロのソーシャルマーケティングで開拓されそうである。



元ネタはこちら。
日本一スカートが短いグループ「スマイレージ」。

日本レコード大賞での最優秀新人賞おめでとうございます。




なお本エントリーは、ハロプロファンの方からの情報提供を元に私見を混ぜながら書いているので、雑な考察になっているかもしれませんがご容赦を。


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