2010年11月1日月曜日

デジタルマーケティングのトレンドのまとめ

先日開催された「ad:tech tokyo 2010」でデジタルマーケティングのトレンドが語られているのでまとめてみたい。

まずはグーグル株式会社 マーケティング ディレクターで日本を含むアジアパシフィック地域のマーケティングを統括している Marvin Chow氏の講演からピクアップ。

●生活はますますデジタル化が進み、Adressable(人の属性や嗜好性などの情報が整理された社会)とInteractive(情報や広告に対する人の好みが即時に表明される社会)の両面がデジタル社会の本質になる

●テキスト検索、音声検索に次ぐ「画像検索」がモバイルによるデジタルマーケティングに新しい価値を提供する

●マーケティングとエンターテインメントの区別がなくなる。マーケティング・コミュニケーションの垣根を超えたエンターテインメント性をによって消費者と企業がポジティブな関係を築くという作業が今後のデジタルマーケティングに求められる。

●ブランドは「企業が広告するもの」から「消費者がエンターテインメントするもの」へと変化し、それによって企業と消費者との間にポジティブなエンゲージメントを構築することがマーケティングの中心になる。

次に、Microsoftグローバルアドバタイジングセールス/トレードマーケティング担当のコーポレートバイスプレジデントであるCarolyn Everson氏の講演の一部。

広告において重要なのは、コンテンツ、クリエイティビティ、ユーザーインターフェースの3点。
消費者はクリエイティビティを重要視しており、広告提供者は従来の枠をどう越えてユーザーインターフェースを付け加えられるか、クリエイティビティを打ち出せるかがポイントになる。
また、メディアによってコンテンツの出し方が変わっていくということは、ユーザーがコンテンツにアクセスする上で、より自然な操作感、ナチュラルインターフェースが重要な技術となる。

以上であるが、これらはマーケティングに携わっている人であれば、当然感じていることだし頭では理解しているはずだ。
しかし具体的に展開している企業は少なく、効果的な手段が分からないといった場合が多い。
日本でも年々マスメディアは凋落しインターネットのメディア価値が上がっているが、そこでの戦略や戦術は手探りで、不況による広告費削減の傾向も含め、広告マーケティング分野は過渡期を迎えている。


ただ、Marvin Chow氏も警鐘を鳴らしている様に、変革するデジタル社会に対して「従来の常識、方針、活動」が変わることを恐れ、チャレンジに消極的になることが最も悪いパータンだ。
企業としてのリスクヘッジは必要だが、その中にいる社員がリスク回避ばかりしてトライ&エラーできない企業は、それ自体が成長のリスクになることを認識しなければいけない。

参考までに、デジタルマーケティングの1つの事例として、ステーショナリーメーカー「BIC」が展開する修正テープブランド「Tipp-Ex」のYouTubeキャンペーンが面白い。
これは、YouTube の動画の中で視聴者が投げかけられた質問にアクションする仕組みになっている。
「消費者との対話」を意識したキャンペーンで、多くの参加者を集めただけでなく、ブランド認知や商品の購買など実際の事業にインパクトを与える効果をもたらしたという。
インターネットでは企業から消費者へ一方的に発信する広告から、仕掛けをつくり消費者が企業にアクセスさせるようにしなければならなくなっている。
これはそれを体現した素晴らしい広告だ。




出典:
デジタルマーケティングの将来に必要な「4つの要素」
出典:
デジタル広告に必要なのは、コンテンツ、クリエイティビティ、UIの融合


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