「実際に一人負けだった」──「新ドコモ宣言」と新ロゴに込める変化の意識
先日、ドコモロゴのリニューアルが発表された。
ドコモの社長がコカ・コーラ会長に相談を持ちかけ、ここに至ったとのこと。
日本コカ・コーラ会長の魚谷氏が見た「ブランド危機に直面したドコモ」
携帯電話市場の成熟に対応し、新規獲得に血道を上げてきた従来の姿勢を転換。
番号ポータビリティで顧客流出が続く現状もあり、既存顧客のリテンションと、長期的な関係の構築を重視するマーケティング戦略をとるとのこと。
上記は今更発表する必要が無く当然のこと。
しかし、携帯電話市場は生まれてから現在までの約10数年でほぼ垂直に伸張し、それを実体験している社内スタッフはマーケティング転換の決断ができなかった。
成功体験に引きづられ前進できなった結果は、契約数は勿論のことブランド危機となり、ITリテラシーの高い若者達の視野に入らない魅力の無い企業となってしまった。
今回のロゴのリニューアルについて面白い評論がある。
CNET Japan オンラインパネルディスカッション
「ドコモは生まれ変わることができるのか?」
本記事の大西宏さんの意見に注目。
①『NTTを外せなかったところに、絶対俺たちの本質は変えないぞ、NTTのなかでは自分たちが正当なNTTのDNAの保有者だというのがちらちら見えます。』
②『もっとドコモの若い人達に大きな志で、この先、どのような事業領域で、どのようなビジネスモデルを築くのかを描いてもらい、本当のブランディングをやることじゃないでしょうか。もっと社会的責任を背負う気概がほしいところです。』
まず、①の意見の通りロゴからNTTを外せなかったことは個人的にも残念。
NTTの他事業部を10年で凌駕してしまった携帯電話事業が、ロゴのリニューアルを機に社内意識の変化も求めイノベーションを起こすのであれば外した方が望ましかった。
また全てを小文字の「docomo」にすることでロゴの意味が薄れたことも残念な点。
「Do Communication Mobile」というキーワードは、当初の個々人間の電話・メールコミュニケーションから大きく広がり、インターネットを介した世界中の企業や個人とのコミュニケーション、さらには世の中全てのインフラとのコミュニケーションが図れるまでになったことで、より一層深い意味を持つことになったからだ。
初心に戻り「Do Communication Mobile」をスローガンに邁進してほしい。
次に②の提起だが、まさしく同意できるメッセージである。
先日のエントリーでも書いたが、現在のキャリア制度が続く限り社会的責任を背負う必要があり、その中でトップシェアのドコモは尚更。
より豊かな生活を実現することのできる企業であることに間違いないのだから、若い世代に希望のある企業であってほしいし、
だからこそ、NTTロゴを排除しシフトチェンジしてほしかった。
今回、社長の退任、夏野氏の退社、そして分社化していた各エリアのドコモの統一化(支社化)により、社内組織は大幅に変動することが予想される。
ポジティブなイノベーションで、IT業界に飛び込む若い人材が真っ先に選ぶような企業になってほしい。
ドコモ夏野氏、退社を明言--現在の携帯電話業界をどう見る?
2008年4月25日金曜日
ドコモロゴのリニューアルに思うこと
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