2010年10月3日日曜日

【BOOK REVIEW】累犯障害者

累犯障害者 (著)山本譲司




刑務所にいる受刑者のうち約3割が知的障害者であり、7割以上が再犯により再入所している。
障害者である受刑者の安住の地は刑務所だった。
驚愕の事実から本書は始まる。

刑務所に服役した際に、精神障害者、知的障害者、認知症老人、聴覚障害者、視覚障害者、肢体不自由者などの受刑者たちを隔離している「寮内工場」で、刑務官の仕事をサポートとする介助刑務を体験した著者が、その後の取材から障害者と犯罪の実態を明かし、福祉・刑務所・裁判の問題点を指摘した衝撃の一冊である。

もちろん障害者と犯罪動因との因果関係は一切ない。
だが健常者における常識との相違、善悪の判断の曖昧さ、警察の取調べや法廷で自分を守る言葉を口述することができないなど、様々な要因で受刑に至る場合があるという。

一般的に使用されている手話と先天的な聴覚障害者が使用する手話は全く別で、警察の取調べや法廷での手話通訳は機能していないこと。
障害者を養子縁組し国から交付される障害者手当を食い物にする人々がいること。
セックスの時に女性として褒められ優してくれることが嬉しいため、売春を生きがいとする知的障害者たち。
親子で障害者のため福祉制度を知らず世間とのコミュニティも遮断されている障害者一家。
近親相姦や性的虐待により多重人格となった情緒障害者。
精神障害と同一にされ精神科の閉鎖病棟に軟禁される知的障害者。

これら事実は、障害者犯罪に対する報道規制、障害者団体に配慮した番組づくりなどからは決して明るみにならない。
本書で今まで感じていた障害者犯罪における先入観を全て覆された。
社会が変わるためにも、このような隠された事実を多くの人が知ることは必要だろう。
特に福祉に携わる方は必読なのではないだろうか。


1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

The general concept behind the screen is touched, which is 5x11ft - all with that same one gallon.


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